「盟主ロシア」の失墜で中国・トルコが進出する旧ソ連圏「新地政学」
2020年10月23日
今夏以降、旧ソ連地域でロシアの勢力圏を脅かす展開が相次いでいる。
ベラルーシではウラジーミル・プーチン政権が肩入れするアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が退陣の危機に瀕し、南カフカスでは、ナゴルノ・カラバフ自治州をめぐるアルメニア、アゼルバイジャンの武力衝突が続く。中央アジアのキルギスでは、親露派の大統領が反政府デモで失脚した。
プーチン政権に近いコンスタンチン・ザトゥーリン下院CIS(独立国家共同体)委員会委員長は、
「ロシア周辺で起きている事態は、ロシアにとって悪いことばかりだ。ナゴルノ・カラバフ紛争でロシアの権威は低下したし、ルカシェンコが反政府デモに屈して退陣すれば、プーチン大統領も同様の運命を強いられよう」
と述べた。2014年のウクライナ危機でプーチン大統領がみせた迅速な切り返しは、今回は見られない。プーチン体制下で維持されてきた旧ソ連圏の秩序が崩れつつあるようだ。
ロシアの勢力退潮の空白に、中国やトルコが進出を強めており、旧ソ連圏に地政学的変化がみられる。
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