中国の脅威はますます増している(写真はイメージです)

 

 サイバーセキュリティ企業「トレンドマイクロ」は1988年、台湾人夫婦のスティーブ・チャンとジェニー・チャン、そしてジェニーの妹のエバ・チェンによって、米国で創業された。翌年には日本へ本社を移し、日本企業として2000年には東証一部上場も果たした。現在、エバ・チェンが同社のCEO(最高経営責任者)を務めている。

 多国籍企業でCEOが台湾人であることから、得体の知れないベンダー(製造元)というイメージを持つ人も少なくないのかもしれないが、大三川彰彦副社長に言わせれば、同社は「純然たる日本メーカー」だ。

「研究開発は主に台湾で行い、製品化は日本でされており、国外では日本のベンダーであると広く認識されています。サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)、インド、シンガポールなどでは、政府系機関でナンバーワンのシェア。信頼していただいている理由の1つに、日本メーカーだということがあります」

日本ブランドへの信頼

「カリフォルニアと台北で創業してから33年、1カ所に留まらず走り続けてきた。でも本当に自分の家と言えるのは、ここ台湾、家族が暮らすアメリカ、そしてこの会社の本社がある日本です」

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