「敗北」トランプ大統領「孤立化」の予兆

執筆者:足立正彦2020年11月10日
すでに政権移行の公式HP「BIDEN-HARRIS TRANSITION」も立ち上げている
 

 米国東部時間の11月7日(日本時間8日未明)、米国の各主要メディアは接戦が展開されていた東部「激戦州」のペンシルベニア州で民主党大統領候補のジョー・バイデン前副大統領が勝利を収め、大統領選挙人(合計538人)獲得数が過半数270人を上回り、次期大統領当選を一斉に報じた。

 また、西部ネバダ州についてもバイデン氏の勝利が報じられ、『ワシントン・ポスト』、『ニューヨーク・タイムズ』、『ABCニュース』、『NBCニュース』は、ドナルド・トランプ大統領の214人に対してバイデン氏は279人を獲得したとして、次期大統領当選確定を報道した。

 トランプ大統領自身が贔屓にしている保守系ネットワーク『FOXニュース』や保守系有力紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』も、ペンシルベニア、ネバダ両州のみならず、西部の「激戦州」アリゾナ州もバイデン氏が勝利したと報道し、アリゾナ州の大統領選挙人11人をバイデン氏に加え、獲得数は290人とした。

必要な州で勝利

 1日当たりの新型コロナウイルスの感染者数が10万人を超え、感染拡大により米国経済も急失速するという大統領選挙キャンペーンの基調が大きく変化する極めて異例の状況下で行われた今回の大統領選挙では、約1億4500万人もの有権者が投票し、投票率は65%に達したと推測されている。これは、20世紀初頭の1908年に共和党候補のウィリアム・タフト陸軍長官と民主党候補のウィリアム・ジェニングス・ブライアン元下院議員との間で争われた大統領選挙での投票率65.4%に匹敵する112年ぶりの高水準の投票率となった。

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