11月4日に開かれた大戸屋の臨時株主総会。この日、TOBを仕掛けたコロワイドが経営権を奪取した (C)時事

 

 定食チェーンの「大戸屋ホールディングス」を巡る経営権争いが決着した。株式公開買い付け(TOB)を仕掛けて、株式保有比率を47%まで高めていた外食チェーン大手の「コロワイド」が、11月4日に開いた大戸屋の臨時株主総会で経営陣の入れ替えに成功、経営権を奪取したのである。総会では、コロワイドの会長である蔵人金男氏の長男・賢樹氏ら7人が選任され、賢樹氏が社長に就任。これまで経営を担ってきた窪田健一社長らは解任された。

相次ぐ経営権の奪取

 ことの発端は創業一族の“内紛”だった。2015年に創業者の三森久実氏が57歳で急逝、久実氏が保有していた約19%(約135万株)の株式は、妻の三枝子氏と息子の智仁氏が相続し、それぞれ13.15%を持つ筆頭株主、5.63%を握る2位株主となった。一方、経営は久実氏の従兄弟である窪田氏が社長を務めていたが、当時も4万3000株しか株式を保有していなかった。

 智仁氏はいったん常務に就任したが、窪田社長と対立、会社を去っていた。

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