経済産業省資源エネルギー庁「エネルギー白書2020」より
 

 石油開発には「原油増進回収法」(Enhanced Oil Recovery=EOR)という普遍的な技法がある。

 正確を期するのは難しいのだが、技術音痴な筆者が理解しているのは次のようなものだ。

 地下深いところに賦存している原油は、油層内の圧力を利用して生産するのが基本。それが自噴採油であり、ポンプなどを利用した人工採油で、「一次回収」と呼ばれている。

 生産を続けていると、油層内の圧力が下がって生産効率が悪化する。そこで水やガスなどを注入し、油層内の圧力を高めて生産量を改善するのが「二次回収」である。

 さらに「二次回収」終了後、ケミカル攻法や熱攻法などを利用した「三次回収」を行うこともある。

 これらは時系列的な区分であるが、最近は油層工学が発達し、シミュレーションを踏まえ、生産開始前から油層のライフ全般を通してもっとも効率的な生産を行うべく開発計画を組み、もっとも適当な時期にもっとも適当な手法を用いて、究極生産量の最大化を図るようになっているため、近頃は「EOR」という用語が一般的に使用されている。

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