この正副大統領コンビはどう課題を解決していくか(C)AFP=時事
 

 激戦と混迷の米国大統領選挙も、11月13日、全米のすべての州での勝敗が判明し、ジョー・バイデン前副大統領が306人の選挙人を獲得した。この数は、ドナルド・トランプ大統領が4年前に獲得した選挙人の数と同じで、あのときトランプ大統領は、その数を「地滑り的勝利」と表現していたほどだ。

 しかも、今回トランプ陣営が法廷闘争の根拠としている不正投票については、それらしき証拠がまったく出てこない。

 このままでいけば、よほどのことがない限り、1月20日の就任式以降、バイデン政権が始動するだろう。

 そこで、バイデン次期政権の課題を考えると、多くの難しい難題に直面していることが実感される。

難航する政権移行プロセス

 トランプ大統領が、自身のコアな支持者の直接的な利益と、自分自信の虚栄心を満たすために米国全体の国益を損ねる行動をとってきた例は枚挙にいとまもないが、その決定版が現在進行中だ。それは、あきらかにバイデン氏の勝利は覆らない状況が確定しているにもかかわらず、敗北宣言を行わず、政権移行プロセスを認めず、邪魔していることだ。

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