収束の兆しが見えないタイの反政府デモ(C)EPA=時事
 

 タイにおけるプラユット・チャンオチャ首相の退陣と王室改革を求める若者の動きは、11月に入っても一向に衰える気配を見せない。

 バンコクでは11月8日、タイの民主化運動の象徴でもある民主記念塔広場に約7000人(警察発表)の若者が集まり、王室改革を掲げる「2020民衆集会」が開かれた。

 大学生グループ「青年解放(Free Youth)」が11月5日にフェイスブックで発信した呼び掛けに――マハー・ワチュラロンコン国王宛てに王室改革を訴える手紙を持参しよう――に応じた若者たちだ。

 彼らは集会趣旨を象徴するかのように、4個の真っ赤な郵便ポストと、「差出人:民衆  受取人:ワチュラロンコン」と記された封筒を模した巨大な横断幕を掲げ、デモ隊は王宮に向け動き出した。

 だが、当然ながら警備当局は厳重な警備態勢で阻止した。そこで、「批判には等しく耳を傾けなければならない」とする国王宛ての書簡を読みあげ、解散に踏み切っている。

 この日の行為を国王に対する前代未聞の“諫言”と考えれば、取り扱い次第では事態のさらなる紛糾は十分に予想される。

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