内戦「イエメン」沖合原油貯蔵設備「放置」で漏出「大環境破壊」の危機
2020年11月27日
〈エクソン・バルディーズ号がアラスカ湾に向けて出航したころ、ジョセフ・ヘーゼルウッド船長は自室へと降りて行った。1989年3月23日の午後9時30分少し過ぎのことで、書類仕事が残っていたからだ〉
ピューリッツァー賞受賞ジャーナリスト、スティーブ・コールは名著『石油の帝国 エクソンモービルとアメリカのスーパーパワー』(ダイヤモンド社、2014年)をこう書き始めている。
〈すべてはアラスカ沖原油流出事故から始まった!〉
との帯紙が付いた本書は、確かに〈『セブンシスターズ』(1976年)、『石油の世紀』(1991年)に続く、国際石油資本が動かした現代史の証言〉だ。
船長の飲酒癖を放置したために発生した当該事故が「エクソン」に25億ドルの懲罰的損害賠償支払いという司法判断をもたらし、さらに同社の経営方針、いや石油業界の「常識」をすら変えたのだった。
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