国民「6分の1」が逃げ出したベネズエラ惨状に思う「歴史に翻弄される個人」
2020年12月1日
遅ればせながら、東京大学先端科学技術研究センターが11月2日に主催した公開ウェビナー『シンポジウム:権威主義体制の比較 - 多様性と共通性』の録画を見た。池内恵教授がモデレーターを務め、中国、中央アジア、ロシアおよびトルコを専門とする気鋭の学者たちが、それぞれ研究している国々の「権威主義」の実態につき、平明に解説してくれていた。
「民主主義」以外の統治体制については、安易にすべてを「権威主義」とくくってしまう傾向があるが、実態はもっと複雑で、多岐にわたっていることは「シンポジウム」の演題にも表れている。
この中でもっとも興味深かったのは、ジェトロ・アジア経済研究所の今井宏平研究員によるトルコの分析だった。
2000年代に入ってEU(欧州連合)加盟交渉で盛り上がり、急激に進んだトルコの民主化の動きは、2016年のギュレン運動によるクーデタ未遂事件ののち一気に後退し、逆に権威主義化の様相を見せている、今では、この政治体制はエルドアン退陣後も残るのではないか、すなわち「制度化された権威主義体制」になったのでは、と指摘されているとのことだ。
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