44歳で米外交の中枢を担うことになる、ジェイク・サリバン次期国家安全保障問題担当大統領補佐官 (C)AFP=時事

 

 ジョー・バイデン次期米政権の外交チームが発表された。環太平洋連携協定(TPP)、パリ協定、イラン核合意からの離脱や、目まぐるしい高官更迭が象徴したドナルド・トランプ時代の「混沌」から「安定」への移行が期待される。

 国務長官に指名されたトニー・ブリンケンなどバイデンの側近起用は予想通りである。

 だが、何と言っても注目すべきは、外交・安全保障政策の要である国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任するジェイク・サリバンであろう。44歳と60年ぶりの若い年齢での就任であり、バラク・オバマ政権で国務副長官を務めた米外交の重鎮ビル・バーンズは、

「米外交立案・遂行におけるスター」

 と称している。サリバンの思想を基にバイデン外交を占ってみたい。

ベスト&ブライテスト

 サリバンは中西部ミネソタ州で育ち、エール大学で政治学を専攻し、最優秀学生のみに与えられるローズ奨学金を得てオックスフォード大学に留学、国際関係論を学んだ。その後エール大学法科大学院を修了するという絵に画いたようなエリート教育を受けた。

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