コロナによる経済ショックのしわ寄せは、パートやアルバイトといった「最も弱い立場」の人たちに行っている(写真はイメージです)

 

 「こんなご時世だから転勤しても仕事があるだけありがたいだろう。嫌なら勝手にしたらいい」

 西日本のホテルのレストランで接客係として働いていたAさんは、今年夏、支配人に呼び出されてこう告げられた。遠く離れた地方の観光地にある系列店に転勤する人事を打診されたのだ。Aさんは40代で育ち盛りの子どもがいる。単身赴任して二重生活になったら生活が成り立たない。辞めろと言わんばかりの嫌がらせ人事だった。

 「いきなり地方に行けと言われても困ります。身の振り方を考えますよ」

 すると支配人は揚げ足を取るかのように言い放った。

 「そうか辞めるのか。残念だな」

 結局、Aさんは「売り言葉に買い言葉」のような感じで20年以上勤めた職場を去ることになった。新型コロナの蔓延で、ホテルや飲食業界は厳しく、新しい仕事はなかなか決まらない。結局、これまでのキャリアが生かせない、まったく違う職種につかざるを得なくなった。

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