10月26日には、ロシア軍対空ミサイルS300V4の北方領土練習配備が報じられた(『タス通信』HPより)
 

 菅義偉政権発足後、日露間の平和条約交渉は途絶えたままで、ロシア側は高飛車な対応を一段と強めている。

 ロシアは今秋以降、北方領土に対空ミサイルS300や最新型戦車を配備し、島の要塞化を進めている。10月には、ロシア情報機関が東京五輪を主催する組織や関連企業にサイバー攻撃を仕掛けている、と英政府が発表する動きもあった。

 ロシアに親近感があったドナルド・トランプ米大統領は安倍晋三前首相の対露融和外交を容認したが、1月20日に発足するジョー・バイデン政権は、中露に対する同盟国の結束を求めており、日本の単独行動を認めないだろう。北方領土問題解決はますます遠ざかることになる。

首相はロシアに無関心

 菅首相は就任後、北朝鮮による日本人拉致問題では、

「一刻の猶予もない」

「引き続き全力で取り組む」

 と積極的に発言するが、北方領土問題に触れることはほとんどない。政府関係者は、

「菅総理はロシアに関心が薄い」

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