副大統領時代のバイデン氏と中東情勢について協議していたオースティン氏は、承認されれば史上初のアフリカ系国防長官となる(C)EPA=時事
 

 トランプ陣営は、大規模な不正投票が行われたとして法廷闘争を通じて大統領選挙結果を覆そうとしてきたが、連邦最高裁判所も具体的証拠が欠如しているとして、トランプ陣営やテキサス州のケン・パクストン州司法長官の訴えを相次いで退けており、ドナルド・トランプ大統領の手段はほとんど封じ込まれつつある。

 そして12月14日、各州で大統領選挙人団が集まって次期正副大統領について正式に投票を行い、ジョー・バイデン民主党候補の次期大統領当選が確定した。

 こうした中、1カ月あまり先の1月20日に始動することになるバイデン次期政権のホワイトハウス高官や主要閣僚が次々に発表されており、次期政権の布陣が概ね明らかになりつつある。

多様性を反映した布陣

 バイデン次期政権の布陣の大きな特徴として、2点を指摘することができる。

 1点目としては、オバマ前政権で要職を歴任した実務家が積極的に登用されている点である。そうした顔ぶれに既視感があるため、バイデン次期政権については「第3期オバマ政権」、あるいは「チーム・オブ・リピーツ(Team of Repeats=再登板のチーム)」といった表現で揶揄もされている。

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