左が《党的女児》の田玉梅、右が《花漫一碗泉》の望泉と玉蘭。

 

 12月3日に広東省の順徳市で行われた地元企業の少爺(御曹司)と千金(お嬢様)の結婚式の模様を、地元メディアが次のように伝えている。

 カネ持ち家族同士の結婚式に相応しく、会場の外にはロールスロイス、ランボルギーニ、フェラーリ、マクラーレンなどマニア垂涎の超高級車が所狭しと並んだ。

 新郎が差し向けたヘリコプターで嫁入りした新婦は、「披金戴銀(キンキラキン)」と形容される同地の伝統的花嫁衣装に身を包み、首から両手首まで金銀の輪で飾られ、傍らに立つ新郎も重そうな金の首輪を下げている。

 1本が298元(5000円弱)のミネラルウォーターが林立するテーブルでは、1卓当たり総額で6.8万元(100万円前後)の料理が供された。

 こんなにも贅を尽くした異常なまでにド派手な結婚式が――たとえ話半分だったにせよ――地方都市でも行われるような現在の中国で、まるで文化大革命の時代に押し戻されたかのような錯覚に襲われる現代京劇が推奨されているのだから、やはり驚くほかはない。

毛沢東式文芸理論の軛から逃れられない

『中國京劇』(中華人民共和国文化和旅游部主管 全国中文核心期刊)の9月号と10月号は共に現代京劇と地方劇の特集を組み、9月号では『党的女児』を高く評価し、10月号では『花漫一碗泉』をメインに『錦綉女児』の他、地方劇の『一個都不能少』(黄梅戯=安徽省)、『大石岩』(豫劇=河南省)、『崆峒山下』(眉戸劇=陝西省)、『羊倌情』(粤劇=広東省)などを取り上げ推奨している。

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