犯罪組織化した西アフリカ「武装テロ組織」

執筆者:篠田英朗2020年12月23日
ボコ・ハラムに誘拐されたが、無事に解放されたナイジェリア・カチナ州の生徒たち (C)AFP=時事

 

 ナイジェリア北部のカチナ州で12月12日、寄宿制学校が襲撃され、344人とされる男子高校生が誘拐された。過激派集団の「ボコ・ハラム」が、自らが仕掛けた事件だという声明を出した。

 ボコ・ハラムについては、2014年の270人以上の女子高生の誘拐事件が、世界を駆け巡る大きなニュースとなったことがある。それで今回も海外メディアが大きく取り上げたため、日本のメディアもそれなりに報道したようだ。

 ナイジェリア当局によれば、12月20日までに生徒たちのほとんどが解放されたという。その様子も現地メディアからは伝わってきているが、解放の経緯などの詳細は、明確にはなっていない。

 伝統的なボコ・ハラムの活動地域は、ナイジェリア北東部のチャド湖周辺地域だ。2014年女子高生誘拐事件が起きたボルノ州は、チャド湖に面したナイジェリアの北東の端に位置する。2018年にボコ・ハラムが起こした100人以上の女子高生誘拐事件も、ボルノ州の西隣のヨベ州で起こった事件であった。

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