失敗なら「大暴落」「債務超過」も「日銀」保有ETFの出口戦略
2020年12月25日

いつまでも「日本最大の株主」ではいられないが、といって簡単に処理もできず……黒田日銀総裁はどうするのか (C)時事
日本銀行がETF(上場投資信託)の買い入れを開始してから10年が経過したことで、多くのメディアが問題点などを指摘している。そこで日銀保有のETFの現状を検証し、当面の方向性を探ってみる。
筆者は2018年4月20日の拙稿『日銀「出口戦略」に立ちはだかる「18兆円爆弾」の処理方法』で、その問題点と日銀保有のETF処理方法として、ETFを日銀の勘定から切り離し、独立した機構に買い取らせ、長期間をかけて売却する方法をいち早く提案している。問題点については、そちらをご覧頂きたい。
日本最大の大株主
まず、日銀保有ETF残高の現状は表1の通りだ。日銀は表2のようにETFの買い入れ枠を拡大してきた。
2010年12月に白川方明総裁(当時)がETFの買い入れを開始した際には、リーマンショック後の金融市場の混乱を収めるため、中央銀行が証券市場に直接資金を投入することで、証券市場の機能を正常化させることが目的とされた。
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