バイデン政権の最重要政策を取り仕切ることになるグランホルム次期エネルギー長官(C)AFP=時事
 

 わずか4週間足らずとなった1月20日に第46代米国大統領に就任するジョー・バイデン前副大統領がドナルド・トランプ大統領と政策面で対極的立場にある1つが、気候変動(climate change)対策である。

 トランプ大統領は2017年6月に「パリ協定」からの離脱を発表し、気候変動について「でっち上げ(hoax)」であると一貫して訴えてきた。他方、バイデン氏は気候変動について、気候危機(climate crisis)というより喫緊性の高い表現を用い、最優先課題の1つと位置付けて取り組もうとしており、政権発足と同時にトランプ大統領が離脱を決定した「パリ協定」に復帰する方針を明らかにしている。

気候変動対策チームの発表

 気候変動対策重視の姿勢を裏付けるように、バイデン氏は一連の関連する人事を矢継ぎ早に発表している。

 11月23日に発表した外交・国家安全保障チームの一員として、バイデン氏は上院議員、副大統領在任中を通じて親しい関係にあり、2020年民主党大統領候補指名獲得争いではアイオワ州などの「序盤州」で選挙キャンペーンを積極的に支援していたジョン・ケリー元国務長官を、閣僚級の気候変動対策担当大統領特使に指名している。

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