【特別対談】「アフター・トランプ」か「ウィズ・トランプ」か

渡部恒雄著『2021年以後の世界秩序 国際情勢を読む20のアングル』刊行記念

執筆者:2021年1月4日
先の見通しにくい状況のなか「世界をどう読むか」語り合った
 

 米トランプ政権の4年間と新型コロナウイルスのパンデミックで、それ以前とはすっかり様相が変わってしまった国際情勢。何が変わり、これから世界はどう動いていくのか――。

 

 新著『2021年以後の世界秩序 国際情勢を読む20のアングル』(新潮新書)を上梓した笹川平和財団上席研究員の渡部恒雄氏が、双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦氏とこれからの「世界の読み方」を語り合った。

 

アメリカ政治から世界を見る

吉崎達彦 今回のこの本は、最初はドナルド・トランプ大統領のアメリカのことをお書きになりたかったのだろうと思うんです。ただ、そのテーマを世界に拡大したというのは非常に良かった。トランプが当選した2016年の衝撃というのは、大変なものがありました。アメリカに関わる専門家たちが、トランプの当選でどんなに衝撃を受けたか。今まで自分たちがわかっていたつもりでいたものが、実はわかっていなかった、とバレてしまった。そこで、いろいろと試行錯誤しながら迎えたのが2020年の大統領選でした。そしてそうした衝撃はアメリカだけではなく、世界全体で起こっていたと思うのです。

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