2021年「マネー」の世界が大きく変わる

執筆者:野口悠紀雄2021年1月7日
ディエム公式HPより

 

 2021年には、中国やスウェーデンの中央銀行デジタル通貨(CBDC)、そしてディエム(旧リブラ)が実際に発行される可能性がある。マネーの世界は大きく変わる。セキュリティトークンなど、ブロックチェーンを用いる新しい金融の仕組みも進展するだろう。

デジタル人民元が発行されるか?

 2021年には、マネーや金融の世界において、様々な出来事が予想される。

 第1は、CBDCだ。

 中国のデジタル人民元はすでに数回の実証実験を行っており、発行計画が順調に進んでいるように見える。

 2022年の北京オリンピックまでには実現させる予定であるとされているので、2021年中には、実際に利用されるところまで行く可能性も高い。

 ただ、その影響については、まだわからない点が多い。

 第1に、中国国内の問題として、Alipay、WeChat Payなどの電子マネーが、デジタル人民元の時代にどのような位置づけになり、どのような影響を受けることになるかが、まだ不明だ。

 中国共産党の基本姿勢がアンチ民間電子マネーなのだとすれば、デジタル人民元によって相当大きな変化が起こる可能性がある。

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