菅首相こそ読むべき英『エネルギー基本計画』のポイント

執筆者:フォーサイト編集部2021年1月11日
 

 菅義偉首相は2020年10月26日、就任後初の所信表明演説で「2050年温室効果ガス排出ネットゼロ(カーボンニュートラル)」を宣言した。その1カ月半後の12月12日、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」採択5周年を記念した国連オンライン会合でも同様に宣言し、国際公約とした。

 だが、大目標を掲げただけで、具体的施策の検討はまだこれからだ。

 そうしたなか、英政府が「クリーンエネルギーシステムとグリーン雇用増に向けた計画」を2020年12月14日に発表した。2050年までにネットゼロ実現を目指す一方で、最大22万の雇用を創出し、手頃な光熱費を維持する計画、だという。

 その内容をまとめた『エネルギー基本計画』(英題は『ENERGY WHITE PAPER――Powering our Net Zero Future』となっており、本来なら『エネルギー白書』とすべきところ、その内容から本稿では敢えて『基本計画』とする)は全170ページに及ぶ。現状と問題点を分析したうえで立てられているその計画は、細部にわたって詳細に立案されている。全文詳細はこちらからご覧いただくとして、基本計画の趣旨、主要な骨子と関係閣僚、業界首脳らのコメントなど、英政府公式ホームページで公開されているものを読者の参考までに翻訳し、ここに掲げる。

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