離任目前トランプ大統領の「自滅」

執筆者:足立正彦2021年1月13日
前回(2019年12月)弾劾された際は、最終的に「無罪」となってそれを報じた新聞を高らかに掲げて自慢げだった。だが今回は……(C)AFP=時事
 

 1月6日は本来、米議会上下両院合同会議において、大統領選挙人による投票結果が承認され、次期大統領に民主党のジョー・バイデン、副大統領にカマラ・ハリス両候補がそれぞれ確定される最終的な手続きが行われ、1月20日の就任式の準備がすべて完了するはずであった。

 ところが周知の通り、大統領選挙での敗北を認めないドナルド・トランプ大統領の呼びかけに応じて連邦議会議事堂前に結集していたトランプ支持者は暴徒化し、審議が行われていた合同会議に乱入し、一時占拠するという米国政治史上前代未聞の信じられない光景を目にすることになった。

 トランプ大統領は具体的根拠を明らかにすることなく、民主党による大規模な不正投票が行われたと一貫して主張し続けてきた。しかし、激戦州でのトランプ陣営の訴えは次々に棄却された上に、わずか約1万2000票足らずで敗北した南部ジョージア州では投票日以降20回近く選挙管理当局に圧力をかけ、実際に州務長官に圧力を加える電話会談の音声も公開され、厳しい批判にさらされる中で今回の議事堂占拠事件が発生したのである。

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