ブレグジット合意で、英国を支えてきた金融街・シティ(写真)も五里霧中になる? (C)AFP=時事

 

「もみの木の下に歴史的合意」――。

 昨年12月25日付『パリジャン』国際面の見出しである。

 英国のEU(欧州連合)離脱(ブレグジット)まで1カ月に迫った12月。EUと英国の自由貿易協定(FTA)合意の期限だといわれていた日はとっくに過ぎていた。協定がなければ、いままで自由に取引されていた物品に様々な関税がかかり、いきなり1割2割と価格がアップする。また煩雑な税関検査で、国境で長く留め置かれる。

「no deal」(合意なし)を見越して、ドーバー海峡の両岸では在庫準備のためのトラックが、長蛇の列をなしていた。

 フランス側のカレー港では、そのトラックに潜り込んで英国に渡ろうとする不法移民とのイタチごっこも加わった。

 おまけに新型コロナウイルスの変異種のため、英国との交通が遮断。22日には、トヨタのフランス工場に英国からの部品が届かず、工場は操業停止になった。

 カレー港は欧州全体への玄関口であるから、フランスでは報道されていない影響が、様々な国で起きていたに違いない。それでも、フランスのクレマン・ボーヌ欧州担当大臣は、

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