今や民主党のスーパースター(C)AFP=時事

 

 1月5日の夜は、ほとんど寝られなかった。ジョージア州が選出する上院議員2名の決選投票の開票速報を追うため、テレビ・新聞、友人たちからのテキスト、Twitterなどに釘付けになっていたからだ。

 この2議席を共和党、民主党のどちらが取るかで上院(定数100)の支配政党が決まるとあって、多くの人が注目していた。ジョージアという南部の一州がこれほどまでに全米の、世界からの熱い注目を集めたことは、いまだかつてなかったのではないだろうか。

黒人抑圧の象徴たる地でつくられた歴史

 事前の予想では、共和党と民主党が1議席ずつ取るのではないかという説が強かった。つまり、49対51で、共和党が上院支配を維持するというシナリオだ。

 しかしいざ開票が始まると、民主党の2人の候補は予想以上に好調に票を伸ばし、いずれのレースも追いつき追い越せの大接戦になった。開票が進むにつれ、事前の見通し以上に黒人投票率が高かったこともわかってきた。よって、5日は予想以上に長い夜になった。

 最終的には、終盤に開票されたアトランタおよびその近郊の民主党支持層の票が2人の民主党候補を強く押し上げ、勝たせることになった。ジョージア州から民主党の上院議員が選出されたのは、1996年以来はじめてのことだ。

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