国家vs.巨大IT(中)国内外で試練「中国IT大手」の苦悩
2021年1月18日
世界1、2位の経済大国である米中両国のIT覇権争いが激しさを増している。
最先端のデジタル技術は安全保障上の脅威にもなり得る。相手国企業を標的に自国の法規制を「域外適用」し、排除を図る動きが加速。急成長ぶりが著しい中国のIT大手といえども、強大な権限を持つ国家の前ではなすすべもない。
ティックトックを狙い撃ち
世界で約7億人の利用者を擁する短編動画共有アプリの「TikTok(ティックトック)」。日本でも若者がダンス動画を投稿したり、企業や自治体がプレゼンテーション用に活用したりと、人気アプリの1つとなっている。
親会社は「字節跳動(バイトダンス)」。1983年生まれの中国のソフトウェアエンジニア、張一鳴氏が2012年に創設した新興IT企業だ。
米経済誌『フォーブス』が発表した「2020年中国長者番付」によると、張氏の資産額は約277億米ドル(約2兆8700億円)。成功を収めた張氏は、中国の富豪上位10人の仲間入りをした。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。