経産省『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』より
 

 2020年12月初旬、若い友人の依頼を受け東京大学公共政策大学院で講義をした。もちろん「オンライン」である。

 外部から講師を数人招き「海洋科学技術政策論」の特別連続授業を行いたい、ついてはその一環として「海洋における石油開発」の話をしてほしいという依頼だった。

 筆者は『石油を求めて、陸から海へ』と題してお話しした。

 現在、日本で「石油」というと「ENEOS」のガソリンスタンドが真っ先に頭に浮かぶだろう、その「ENEOS」の起源は、実は新潟における海上石油開発なのだ、と講義を始めた。オンラインなので、どの程度この「つかみ」が成功したのかは不明だ。

 だが、これだけでは何が言いたいのか、分かりにくいだろう。若干、補足説明をしておこう。

「ENEOS」の祖先「日本石油」を創設した県会議員内藤久寛は、自宅のある新潟県刈羽郡石地村の隣、三島郡尼瀬で活発に石油開発が行われているのを見て、自らも参入を決意した。だが尼瀬では、もはや空いている土地はない。いわゆる「鉱区権」はすべて付与済みだったのだ。

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