香港で国家安全維持法を施行した中国を批判したシュタインマイヤー独大統領。中国をこれほどはっきりと批判するのは極めて珍しい (C)EPA=時事

 

 ドイツは、これまで主に経済的な理由から、中国に対して米国ほど厳しい態度を取ってこなかった。だがここ数年、同国が中国に対して向ける目が厳しくなりつつある。

「国際的な取り決めにも違反」

 そのことを最も明確に示すのが、「社会民主党(SPD)」のフランク・ヴァルター・シュタインマイヤー大統領が去年夏に行った発言である。彼は公共放送局『第2ドイツテレビ(ZDF)』が7月12日に放映したインタビューの中で、

 「中国は香港で国家安全維持法(国安法)を施行したが、これは香港の憲法に違反するばかりではなく、国際的な取り決めにも違反するものだ」

 と述べ、中国を名指しで批判した。

 さらに、

 「我々は、この国際法違反について一時的に憤慨しているわけではない。もしも中国政府が、欧州の憤りはすぐに下火になるだろうと考えてこの法律を撤回しない場合、中国と欧州の関係は永続的に悪化するだろう。これは中国にとって利益ではないはずだ。私は中国が国安法について考え直すことを望んでいる」

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