1月5日の朝鮮労働党大会初日、活動報告を行う金正恩党委員長(現総書記)(『労働新聞』HPより)

 

 朝鮮労働党は1月5日から12日まで8日間にわたり、第8回党大会を開催した。

 金正恩(キム・ジョンウン)党委員長を父・金正日(キム・ジョンイル)や祖父・金日成(キム・イルソン)が就いていた「党総書記」に推戴し、党政務局を党書記局に戻すなど、朝鮮労働党による組織的国家運営体制を強化、再整備した。

 注目された対外関係では、米国を「最大の主敵」と規定、「核先制・報復打撃能力」の高度化を推進するとし、各種兵器の開発計画を具体的かつ詳細に明らかにした。米朝関係はドナルド・トランプ時代の対話から、対決へと原点回帰した。

 金党委員長は、活動総括報告で「核」という言葉を36回使ったが、「非核化」という言葉は1回も使わなかった。金党委員長が2018年4月の「板門店宣言」で表明した「完全な非核化を通して核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標」を喪失してしまったのである。

 これは約10日後にスタートする米国ジョー・バイデン政権への通告であり、核兵器やミサイルなど各種兵器の開発を続けることで米国や韓国を恫喝しながら、バイデン新政権や文在寅(ムン・ジェイン)韓国政権に譲歩を迫るという、北朝鮮が従来取ってきた戦術への回帰宣言であった。

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