5年ぶり「朝鮮労働党大会」総括(1)「米は最大の主敵」と核武力「全面高度化」

執筆者:平井久志 2021年1月19日
エリア: アジア 北米
1月5日の朝鮮労働党大会初日、活動報告を行う金正恩党委員長(現総書記)(『労働新聞』HPより)

 

 朝鮮労働党は1月5日から12日まで8日間にわたり、第8回党大会を開催した。

 金正恩(キム・ジョンウン)党委員長を父・金正日(キム・ジョンイル)や祖父・金日成(キム・イルソン)が就いていた「党総書記」に推戴し、党政務局を党書記局に戻すなど、朝鮮労働党による組織的国家運営体制を強化、再整備した。

 注目された対外関係では、米国を「最大の主敵」と規定、「核先制・報復打撃能力」の高度化を推進するとし、各種兵器の開発計画を具体的かつ詳細に明らかにした。米朝関係はドナルド・トランプ時代の対話から、対決へと原点回帰した。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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