いよいよ正式に就任するが……(政権移行委員会公式HPより)
 

 1月20日正午、ジョー・バイデン前副大統領が第46代米国大統領に正式に就任する。

 政権交代が行われる場合、米連邦議会議事堂前で行われる大統領就任式には離任する現職大統領も同席し、連邦最高裁判所長官に従って新大統領が宣誓する姿を見守るのが長年の慣例であった。

 だが、再選に失敗して1期限りで離任するばかりか、いまだに敗北したことさえ認めないドナルド・トランプ大統領は、大統領就任式に出席しないことを表明している。離任する大統領が新大統領の就任式に出席しないのは、1869年のアンドリュー・ジョンソン大統領(民主党)以来実に152年ぶりとなる。ジョンソン大統領も在任中に弾劾訴追されたが、トランプ大統領は離任後に2度目の上院での弾劾裁判が行われる。

 このような、米国政治史上かつてなかった異例の状況下でバイデン氏の大統領就任式は行われる。

 就任式は米連邦議会議事堂前で行われることになるが、この議事堂こそ、「バイデン勝利」の確定を阻止するよう求めるトランプ大統領の訴えに応じた支持者が襲撃・占拠した場所である。就任式の2週間前であった1月6日のその日は、上下両院合同本会議で大統領選挙人による投票結果を確定するための審議中であったことは周知の通りである。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。