1月19日のトランプ

執筆者:藤原朝子2021年1月20日

1月19日のトランプ

 大統領として最後の1日となった19日、トランプは翌日発表予定の恩赦の対象者について、ギリギリまで悩んでいるようです。対象は100人前後となる見通し。ビル・クリントン元大統領は2001年の最終日に140人に恩赦を出していますから、人数的にはトランプが目立って多いわけではありません。

 しかしトランプのリストには、エドワード・スノーデンやジュリアン・アサンジら、国家安全保障にダメージを与えた人物が含まれるとみられます。また、恩赦は有罪であることを前提とした措置のため(=今後黙秘権が失われる)、恩赦が及ばない州ベースで多くの訴訟を抱えるトランプが、自分と家族に与えるかどうか注目が集まっています。

 ホワイトハウスは19日夕方4時、トランプの「お別れスピーチ」を発表しました(録画ビデオ)。「世界は我々を再びリスペクトするようになった。そのリスペクトを失わないでほしい」というくだりは、「逆でしょ!」と多くのツッコミが入っています。

 その一方で、「今週、新政権が発足する」と語るなど、この期に及んでもトランプは「バイデン」という名前は決して口にしません。また、「我々が着手した運動は、まだ始まったばかりだ」という締めくくりは、支持者には戦闘の呼びかけと受け止められかねない危険なものです。

 そんなトランプに対して、ペンス副大統領は明らかに距離を置いています。副大統領として(たぶん)最後のツイートには、トランプの名前も写真もなし。20日朝のアンドリューズ空軍基地でのお別れイベントにも出席せず、バイデンの大統領就任式のみ出席するスケジュールを発表しています。

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