ジョシュ・ホーリー上院議員(右)の責任を問う動画を公開している「リンカーン・プロジェクト」のツイッター
 

 ドナルド・トランプ前大統領がホワイハウスを離れた1月20日直前まで活発に議論されていたのは、共和党に影響力を持ち続けるトランプ氏と、同党はどのように共存していくのかといった議論であった。

 2016年共和党大統領候補指名獲得争いでエスタブリッシュメント(既成勢力)の支持を受けていたジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事らに勝利し、翌2017年1月に大統領に就任した公職経験のない「アウトサイダー」であったトランプ氏は、在職中に共和党に対する影響力を次第に増大させていった。

 2020年大統領選挙でジョー・バイデン民主党候補が勝利宣言をした後、バイデン氏の次期大統領当選を公式に表明する共和党政治家は殆どおらず、五大湖周辺やアリゾナ州、ジョージア州といった「激戦州」で民主党による大規模な選挙不正が行われたとの具体的根拠を示さないトランプ氏の主張やトランプ陣営による法廷闘争を静観し続けた。

 だが、そうした共和党内の「トランプ支持」姿勢に決定的変化をもたらすことになったのは、トランプ氏の呼びかけに応じ、バイデン次期大統領の勝利を確定する米国憲法に基づく手続きが行われていた米議会上下両院本会議の審議を阻止しようとトランプ支持者が米連邦議会議事堂に乱入、占拠した事件であった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。