順風発進でも注視が続くバイデン「環境エネ政策」の予測不可能性
2021年2月2日

「2040年排出ネットゼロ」を打ち出したGMなど、“できる企業”の脱炭素は更に加速する(写真はイメージ)
つくづく実感するのだが、筆者が社会人生活の大半を過ごした「三井物産」というのは、いい会社だった。
一例を挙げると、海外勤務者の人事制度の改定にあたっても、配慮の行き届いた方策を採っていた。
たとえば筆者が「イラン三井物産」に勤務していた時、ある福利厚生関連の規定が改定されることになった。情勢変化に応じた改定である。表面上は会社側にメリットがあり、従業員にはデメリットになる改定だった。だが、実施時期を「3年後」としてあったのだ。
当時の「イラン三井物産」は、さまざまな業務環境が厳しく、単身者は2年、家族帯同者は3年をめどに異動させるようにしていた。柔軟性を維持するためか、あえて「規則化」はせずにいたが、組合との協議を踏まえ、人事部から人員を派遣する各部に「要請」し、各部も当然のごとく受け入れていた措置だ。
つまり、従業員にとってデメリットのある改定なのだが、その時点で勤務している人には適用されず、将来、転勤してくる人が「所与の条件」として受け入れるものになる。
現在の勤務者には影響が及ばず、将来転勤してくる従業員はすでに承知している条件なので、今はもちろん「3年後」に実施されても特段のトラブルは生じない、というわけだ。
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