「ブラジル大統領」が「電子投票」に疑問を投げかける理由
2021年2月4日
米国で発生した議会議事堂襲撃事件の混乱はドナルド・トランプ前大統領の弾劾訴追にまで発展した。その混乱はブラジルでも波紋を呼んでいる。「トランプの盟友」としても知られるジャイール・ボルソナーロ大統領が2022年に実施予定の大統領選挙で負けた場合に、今回の米国と同様の事件が起こるのではないかとの懸念が生じている。
紙面投票の再導入を主張するボルソナーロ氏
事件の発生後、ボルソナーロ大統領は、世界の指導者たちがトランプ氏に批判的な声明を出す中、米大統領選における投票不正の疑惑を肯定し、渦中のトランプ氏を擁護する発言をした。
さらに取材陣に対して、
「ブラジルにも選挙不正はある」
とし、
「(現在の電子投票制を廃止して)投票用紙による紙面投票を再び導入しなければ、ブラジルは2022年の大統領選で米国よりも、はるかに深刻な問題に直面する」
との危機感を伝えた。 ボルソナーロ氏の一連の言動は、一見すれば、2022年の大統領選挙で自身が負けた場合の布石として、ブラジルの投票にも不正があると言い始めたかのように映る。しかし、かねてボルソナーロ氏は自身が選出された2018年の大統領選で不正があったと主張してきた。
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