ミャンマー西部と中国を結ぶ天然ガスパイプライン。「一帯一路」のインフラ作りが進んで行く(C)EPA=時事

 

 2021年2月1日、ミャンマーでクーデターが発生した。

 米国を始めとする西側諸国は一斉に非難し、拘束されたアウン・サン・スー・チー国家顧問やウィン・ミン大統領などの早期解放を要求している。一方、大敗を喫した昨年11月の総選挙は不正だったと主張してクーデターを起こし、全権を掌握したミン・アウン・スライン国軍総司令官は「1年間の非常事態宣言」を発令、譲る気配はまったくない。

 中国は「大規模な内閣改造があった」と報じている由。

 はてさて、これからどう展開していくのだろうか。

“ベトナムに10年遅れ”からスタートした民主化

 このニュースに接して、筆者の頭に最初に浮かんだのは約10年前、2011年12月23日に東京大学本郷キャンパス内で行われた『プミポン国王の「知足経済」に関するブレイン・ストーミング』での議論だった。

 当時、東京大学公共政策大学院・角和昌浩客員教授が主体となって行っていた『タイ国エネルギー環境研究会』(以下、研究会)の若手メンバー・同大学院特任研究員Yが、東南アジアからの大学院留学生も誘って実施したものだった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。