新START延長で「中国の参加」を狙うアメリカ嫌がるロシア
2021年2月10日
今年1月29日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、米露間の核軍備管理条約である新戦略兵器削減条約(新START)の効力を5年延期することを認める法案に署名した。
後述するようにドナルド・トランプ米政権下では遅々として交渉が進まず、1月20日に発足したジョー・バイデン政権に残された時間はわずか2週間あまりだったが、2月5日に失効を控えた土俵際での延長合意となった。
新STARTの数字のマジック
土壇場での延長劇を演じた米露の思惑はどのようなものだったのか。
この点に踏み込む前に、そもそも新STARTとは何なのかを確認しておこう。
2011年2月5日に発効した新STARTは射程5500キロ以上の戦略核兵器の保有数を定めたもので、米露の保有上限はそれぞれ以下の通りとされている。
配備状態にある戦略運搬手段(ICBM、SLBM、戦略爆撃機) 記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。 |