新START延長で「中国の参加」を狙うアメリカ嫌がるロシア

執筆者:小泉悠 2021年2月10日
エリア: 北米 ヨーロッパ
プーチン大統領が法案に署名した29日、ベルリンの米大使館前では平和活動家がさらなる核軍縮を求めるデモを行った(C)AFP=時事

 

 今年1月29日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、米露間の核軍備管理条約である新戦略兵器削減条約(新START)の効力を5年延期することを認める法案に署名した。

 後述するようにドナルド・トランプ米政権下では遅々として交渉が進まず、1月20日に発足したジョー・バイデン政権に残された時間はわずか2週間あまりだったが、2月5日に失効を控えた土俵際での延長合意となった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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