プーチン大統領(右)の最側近とされるゾロトフ国家親衛隊長官(左)が、ナワリヌイ氏支持の反政府デモを弾圧した (C)AFP=時事

 

 ロシアの反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を要求する抗議行動が1月23、31の両日、ロシア全土の約100カ所で行われた。

 これに対して治安当局は徹底弾圧で臨み、計1万人以上を一時拘束した。ナワリヌイ陣営は犠牲が大きすぎるとし、反政府デモを当面中止することを決めた。

 一方、モスクワの裁判所はナワリヌイ氏が過去の詐欺罪で受けた有罪判決の執行猶予を取り消し、禁錮3年6月の実刑判決を言い渡した。過去の自宅軟禁期間が差し引かれ、収監期間は2年8月となる。9月の下院選を控え、政権側は指導者を長期収監し、徹底排除する構えだ。

 ロシアで再燃した反政府デモは、「暴力装置」を握る政権側が優位なことを見せつけ、ナワリヌイ陣営は戦略の立て直しを強いられよう。

悲壮感あふれるデモ

 独立系メディアが伝えるデモの動画を見ると、2度の反政府デモは悲壮感が漂っていた。

 2017年にナワリヌイ氏が呼び掛けて全土で行われたデモは、若者が大半で、ウラジーミル・プーチン大統領を揶揄するポスターやアニメを掲げ、ファッション感覚がみられたが、今回はポスターはほとんどなく、参加者も緊張した表情だった。

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