ナワリヌイ革命の行方を決める「エリートの支持」と「政権内部からの協力」

執筆者:名越健郎 2021年2月16日
エリア: ヨーロッパ
プーチン大統領(右)の最側近とされるゾロトフ国家親衛隊長官(左)が、ナワリヌイ氏支持の反政府デモを弾圧した (C)AFP=時事

 

 ロシアの反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を要求する抗議行動が1月23、31の両日、ロシア全土の約100カ所で行われた。

 これに対して治安当局は徹底弾圧で臨み、計1万人以上を一時拘束した。ナワリヌイ陣営は犠牲が大きすぎるとし、反政府デモを当面中止することを決めた。

 一方、モスクワの裁判所はナワリヌイ氏が過去の詐欺罪で受けた有罪判決の執行猶予を取り消し、禁錮3年6月の実刑判決を言い渡した。過去の自宅軟禁期間が差し引かれ、収監期間は2年8月となる。9月の下院選を控え、政権側は指導者を長期収監し、徹底排除する構えだ。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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