「ベネズエラ移民・難民」に揺れるカリブ海の小国「トリニダード・トバゴ」
2021年2月18日

食品配布に並ぶベネズエラ移民(C)EPA=時事
2016年10月のベネズエラ危機以降、増え続けている移民・難民の数は、2021年2月5日現在で548万人に上り、その規模はシリア難民に次ぐ。最大の受け入れ国である陸続きのコロンビアには、2020年末時点で173万人が暮らしている。
しかし、その一方で、海を隔てて15キロの距離に位置する島国、トリニダード・トバゴ(以下、TT)にもベネズエラ人が大挙して押し寄せている事実を知る人は少ない。
2020年末までにTTで難民申請した約2万人のうち85.9%はベネズエラ人であった。また、2020年9月末現在で難民認定を受けたベネズエラ人は2514人に上る。
もっとも難民認定を受けられるのはごく一部の移民だけだ。
TT政府および国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ベネズエラ移民・難民の数を合法・不法合わせて4~6万人と見ている。これはTTの総人口の3~5%に上り、人口139.5万人(京都市程度)、面積5130平方キロメートル(千葉県程度)という世界有数の「ミニ国家」にとっては未曽有の事態である。
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