「石油ガス産業は悲惨な最期を迎えようとしている」とアンディ・ホールは言う(写真はイメージ)
 

 アメリカ合衆国初代大統領ワシントンの生誕を祝う休日「プレジデント・デー」を月曜日に控えた2月13日の週末、北極圏からの大寒波がテキサス州まで南下し、エネルギーインフラに大打撃を与えた。アラスカ州やノースダコタ州などとは異なり、温暖の地であるため極寒の備えをしていない油田ガス田、パイプラインや製油所、さらには発電所までが機能不全に陥ってしまった。「ユニーク」な自由市場であるテキサス州の電力網は、連邦政府の介入を拒むため他州といっさい接続していない、いわゆる「アイランド・ステート」となっていることも一因となり、未曽有の大停電を引き起こしてしまった。

出所:「Bloomberg」エネルギー部門トップJavier Blasのツイッター(東京時間2021年2月18日)

 このような大寒波に襲われた3連休明けの2021年2月16日(火)、米国「NYMEX」WTI原油が60ドルを超えた。

 東京時間2021年2月18日06:00頃に掲載された『FT』の記事「Oil and gas industry in Texas buckles under strain of Arctic blast」によると、テキサス州の原油生産は半減し(▲約300万BD)、全米全体の天然ガス生産も約2割(▲17bcfd=日量10億立米)落ち込んでいるそうだ。

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