岩瀬昇のエネルギー通信
(347)
WTI原油急騰で唱えられる「100ドル時代到来」を疑え

「石油ガス産業は悲惨な最期を迎えようとしている」とアンディ・ホールは言う(写真はイメージ)
アメリカ合衆国初代大統領ワシントンの生誕を祝う休日「プレジデント・デー」を月曜日に控えた2月13日の週末、北極圏からの大寒波がテキサス州まで南下し、エネルギーインフラに大打撃を与えた。アラスカ州やノースダコタ州などとは異なり、温暖の地であるため極寒の備えをしていない油田ガス田、パイプラインや製油所、さらには発電所までが機能不全に陥ってしまった。「ユニーク」な自由市場であるテキサス州の電力網は、連邦政府の介入を拒むため他州といっさい接続していない、いわゆる「アイランド・ステート」となっていることも一因となり、未曽有の大停電を引き起こしてしまった。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン