バイデン政権はアフリカとどう向かうか(C)AFP=時事

 

 現代の外交分野における複雑かつ困難な課題の1つは、アフリカとどう向き合うかである。

 21世紀のアフリカ経済が成長軌道にあるとはいえ、サハラ砂漠以南アフリカ49カ国のGDP(国内総生産)が世界のGDPに占める割合は、今なお3%程度に過ぎない。貧困、武力紛争、政情不安、政治腐敗などが全大陸的な課題である状況に変わりはなく、アフリカにおけるビジネスで高収益を期待することは現実的ではない。

 短期的に見る限り、アフリカとの付き合いはドナー・投資国サイドの「持ち出し超過」に終わるケースが少なくない。

 しかし、その一方で、30年後には世界人口のおよそ4人に1人をアフリカの住人が占めることが確実視されており、世界中の企業にとってアフリカは、「最後のビジネスフロンティア」「有望な巨大市場」である。また、国の数が多いアフリカは国連の一大票田であり、国際政治における一大勢力でもある。さらには、貧困や政情不安を放置しておけば、アフリカにとっての安全保障上のリスクになるだけでなく、やがて世界全体にとってのリスク要素となるだろう。

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