3月5日に開幕した全人代での習近平総書記(C)EPA=時事

 

 今年の中国全国人民代表大会(全人代)と全国政治協商会議(全国政協)に先立つこと2週間ほどの2月20日、北京で開催された「党史学習教育動員大会」に習近平国家主席は党総書記として臨み、

「まさに今こそ、全党を挙げて党史学習教育を進めるべき時である」

 と語った。 

 現在は建党100年と建国100年の「2つの100年」という奮闘すべき目標が重なり合う時期であればこそ、「歴史問題に関する2つの重要な決議と党中央にかかわる精神」を根拠に、党の歴史的発展の主流と本質を正しく把握し、党史上の重要事件、重要会議、重要人物を正しく認識し科学的に評価すべきである――というのだ。

 どういうことか。

 共産党幹部による公式的発言や党機関の公式文書は、かつて毛沢東が「党八股」と批判したように回りくどい。そのうえ「借古諷今(古を借りて今を討つ)」で意味深な表現が多用されていることから発言者の真意が測り難く、的確な日本語訳が見つかりそうにない。

 だが、この発言の狙いを敢えて推測するなら、党総書記としての「党史解釈権掌握宣言」――つまり建党100周年を見据えての“堂々の独裁宣言”とも言えるだろう。

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