市場予測を裏切る「OPECプラス」決定の真意は何か

油価急上昇だがベア要因も消えず

執筆者:岩瀬昇2021年3月9日
「OPECプラス会合」は謎の多い内容となった(OPEC公式ツイッターから)

 

 3月5日(金)、朝からずっと考え込んでいる。

 なぜ、こうなのか?

 で、これからどうなる?

 答えが出ないまま、本稿を書き出している。ストーリーが思いつかないまま書き出すなんて、まるで小説ではないか!

 いや、石油市場の「現在」と「明日」を談ずるのに、オルタナティブ・ファクツを並べるわけにはいかないだろう。本物のファクツは何か、考えてみよう。

 これまでに報じられているのは、次のようなことだ。

 2021年3月3日(水)および4日(木)にテレビ会議形式で開催された「OPECプラス」会合は、4月の協調減産を「ほぼ3月横並び」とすることで合意した。

 正確に言うと、ロシアとカザフスタンは合計15万BD(バレル/日)の増産(減産緩和)が許容されるが、他の国はすべて3月と同じで、サウジアラビア(サウジ)も2月、3月限定で行うとしていた100万BDの自主減産を4月は継続する、というのだ。

 5月以降については、4月1日に協議することとした由。

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