政府とマスコミに欠けている「大きな安全」を確保する思考

「2050年カーボンニュートラル」を絵空事にしないために

執筆者:岩瀬昇2021年3月17日
2050年カーボンニュートラル・全国フォーラムで発言する菅義偉首相 (C)時事

 

 繰り返しになって恐縮だが筆者は、我々日本人のエネルギーリテラシーを高めるお手伝いをすることを「任務」と自任している。本来はマスメディアこそが担うべき任務だと考え、期待しているだけに、マスメディア報道への「批判」めいた言辞が多くなってしまう。

 今回も、同じような「愚痴」から始まることをお許しいただきたい。

『日本経済新聞電子版』(日経)が掲載した『秋田沖に風車銀座、一等地を射止めるのは 欧州勢も参加――カーボンゼロ、現場を歩く』(2021年3月9日11:00)を読んで、思わず天を仰いでしまった。

 正直に言うと「『日経』にして、これか」と落胆したのだ。

 本欄でも何度かお伝えしているように、『日本テレビ』夕方のニュース番組「news every.」解説でときおりお見掛けする報道局解説委員・宮島香澄氏の指摘は、まさに「お茶の間」と接点を持つ方の実感であり、マスメディアの「現状」を明示してくれている。

 宮島氏は、筆者も同席した経済産業省の審議会「石油・天然ガス小委員会」の場で次のように発言されていた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。