理念を大きく打ち出しているバイデン外交。果たして北朝鮮を動かせるのか (C)AFP=時事

 

理念を前面に押し出すバイデン外交。中国との距離は広がるばかりだが、その隙間は、北朝鮮生き残りの場にもなりうる。米朝、そして日本の次の手は?

 北朝鮮は米国と日本、韓国との「2+2」に際し、金与正(キム・ヨジョン)談話、崔善姫(チェ・ソンヒ)談話を発表、韓国を非難し、米国が敵視政策を撤回するまでは「無視する」とのメッセージを投げ掛けた。さらに米国による資金洗浄捜査に反発し、東南アジアの活動拠点地であるマレーシアと国交を断絶する措置まで取った。そして、弾道ミサイルの発射という形で米国の圧迫に抗う姿勢を明確にした。

米中対立は北朝鮮の生存空間をつくるか?

 米中のアンカレッジ会談が終わるや否や、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は習近平中国共産党総書記と口頭親書を交換し、中朝関係強化を打ち出した。コロナがある程度収まれば、中朝の往来や貿易を再開し、経済支援を得て米国との長期戦を戦う姿勢だ。

 一部メディアは4月から中朝貿易が再開され、2014年にほぼ完成しながら北朝鮮側の道路整備の遅れなどで未開通だった丹藤―新義州間の「鴨緑江大橋」が、年内に開通する見通しだと報じた。

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