【特別企画】米中対立激化で揺れる朝鮮半島(6・了)
次の挑発狙う北朝鮮に米「理念外交」は通用するか

執筆者:平井久志 2021年4月4日
エリア: アジア 北米
理念を大きく打ち出しているバイデン外交。果たして北朝鮮を動かせるのか (C)AFP=時事

 

理念を前面に押し出すバイデン外交。中国との距離は広がるばかりだが、その隙間は、北朝鮮生き残りの場にもなりうる。米朝、そして日本の次の手は?

 北朝鮮は米国と日本、韓国との「2+2」に際し、金与正(キム・ヨジョン)談話、崔善姫(チェ・ソンヒ)談話を発表、韓国を非難し、米国が敵視政策を撤回するまでは「無視する」とのメッセージを投げ掛けた。さらに米国による資金洗浄捜査に反発し、東南アジアの活動拠点地であるマレーシアと国交を断絶する措置まで取った。そして、弾道ミサイルの発射という形で米国の圧迫に抗う姿勢を明確にした。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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