ロシアで進む「プーチン第2世代」への「利権の継承」
2021年4月14日
ウラジーミル・プーチン大統領の「終身政治」に道が開かれたロシアで、政権要人の子弟が利権を継承する動きが進んでいる。68歳のプーチン大統領をはじめ、政権を取り巻く幹部は皆60代。男性の平均寿命が67歳と低いロシアでは、「後期高齢者」だ。超富裕層となった政権幹部や新興財閥の間では、子弟が閣僚や国営企業幹部などのポストに就き始めた。
反政府活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏が投獄された理由の1つは、「ユーチューブ」の動画で政権周辺の利権の継承を暴露し、「レッドライン」を越えたためかもしれない。ロシア版「太子党」の実態を探ってみよう。
わが国では、「総理の長男」ら放送事業会社による総務省官僚らの接待が大問題となったが、ロシアのネポティズム(縁故主義)はスケールが全く異なる。
2人の娘が公の場に登場
プーチン大統領の次女とされるエカテリーナ・チーホノワさん(34)が昨年、最高峰の国立モスクワ大学に設置されたAI(人工知能)研究所長に任命され、話題を呼んだ。プーチン大統領も同センタ-を「AIの技術開発を進める国家戦略の基幹組織」と持ち上げた。
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