ロシアで進む「プーチン第2世代」への「利権の継承」

執筆者:名越健郎 2021年4月14日
エリア: ヨーロッパ
「プーチン第2世代」でも躍進筆頭のパトルシェフ農相(右)(ロシア連邦政府公式HPより)
「プーチン終身執権」へと進む中で、側近たちは「その次」を見越して着々と利権を次世代に移しつつある。まるで帝政時代に逆戻り?

 

 ウラジーミル・プーチン大統領の「終身政治」に道が開かれたロシアで、政権要人の子弟が利権を継承する動きが進んでいる。68歳のプーチン大統領をはじめ、政権を取り巻く幹部は皆60代。男性の平均寿命が67歳と低いロシアでは、「後期高齢者」だ。超富裕層となった政権幹部や新興財閥の間では、子弟が閣僚や国営企業幹部などのポストに就き始めた。

 反政府活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏が投獄された理由の1つは、「ユーチューブ」の動画で政権周辺の利権の継承を暴露し、「レッドライン」を越えたためかもしれない。ロシア版「太子党」の実態を探ってみよう。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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