バイデン大統領初の施政方針演説で、北朝鮮に触れた部分はわずかだったが (C)AFP=時事

 

 米国のジェン・サキ大統領報道官は4月30日、バイデン政権発足以来続けてきた対北朝鮮政策の見直し作業を完了した、と明らかにした。

 一方北朝鮮は、これを待っていたように5月2日に3つの談話を発表した。談話はバイデン政権と文在寅(ムン・ジェイン)政権を非難し、米朝対話、南北対話に応じず、逆に新たな挑発に向かう可能性を示唆した。しかし、北朝鮮はバイデン政権の北朝鮮政策見直しそのものについてはまだ沈黙している。

 バイデン政権発足100日で出された新たな北朝鮮政策はどのようなものであり、北朝鮮はこれにどう対応しようとしているのか、新たな危機を内包した朝鮮半島情勢を報告する。

「外交」と「毅然とした抑止力」

 ジョー・バイデン米大統領は就任100日目を翌日に控えた4月28日、議会で施政方針演説を行った。演説では中国との全面対決姿勢を明らかにしたが、北朝鮮に言及したのは、

「米国と世界の安全保障に深刻な脅威となっているイランと北朝鮮の核開発については、同盟国と緊密に協力し、外交と毅然とした抑止力によって両国の脅威に対処していく」

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